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故人が亡くなって一年後の命日に営まれる、一周忌。
四十九日の次に節目となる重要な法事です。
お供え物はどうすればよのか、悩みますよね。
故人が好きなものにすればよいのか、それとも、何か一周忌には決まりがあるのか。
この記事では、一周忌に焦点を当ててお供え物についてや手渡す際の作法についてご紹介します。
1.一周忌のお供え物は必須ではないが、あるとよいもの
2.お供え物は食品や花など、「消えもの」を選ぶ
3.お供え物の金額は5千~1万円ほど
4.お供え物が食品なら、分けることができるものを
5.香りの強いもの、華美な包装をされたものは避ける
6.お供え物ののしは双銀の水引がついたものを
7.お供え物のほかに、香典も用意する
8.お供え物は、まずは施主に渡す
9.供花の場合は、左右一対ずつ設置してお供えする 花の色は明るめでも問題なし
10.欠席の場合はお供え物や香典を送る
まとめ
1.一周忌のお供え物は必須ではないが、あるとよいもの
命日には2種類あります。
一つは月命日といって亡くなった日のみを命日とするもので、毎月巡ってくるその日を月命日とし、親族一人一人が静かに故人を偲び冥福を祈ります。
もう一つは、故人が亡くなった月と日とを「祥月(しょうつき)命日」とするもの。
これは年に一度だけ巡ってくるものなので、一周忌などの年忌法要が営まれ、親族だけでなく故人と親しかった知人や友人も招かれます。
一周忌は、故人が亡くなってから1年後に執り行われます。
もちろん、祥月命日が平日ですと参列者も集まりにくいので、その場合は週末にずらして執り行っても問題ありません。
ただし、祥月命日より前にある週末を選ぶのが良いとされています。
案内状が届いたら、参列者は香典を持参するのがしきたりです。
一周忌では僧侶による法要のほか、会食も用意されていることが多いため、それを踏まえた金額を包んでおくとよいでしょう。
香典のほかに、お供え物を持参するのもよいとされています。
さて、お供え物についてはどのような決まりがあるのでしょうか。
お供え物は食品や花など、「消えもの」を選ぶ
一周忌では、お供え物は「消えもの」がよいとされる地域が多いです。
もちろん、特に決まりがないこともあるので、予めご遺族やその地域の習慣について確認しておくとよいでしょう。
「消えもの」とは、食べたり飲んだりすることでなくなるもののことで、食品であれば果物や日持ちのするお菓子、お酒、お茶などが一般的です。
かまぼこや佃煮といった食品も、日持ちしますので選ばれることがあります。
なお、果物の場合は「丸いもの」がよいとされることが多く、リンゴ、桃、みかんなど、季節にあったものを選ぶとよいでしょう。
日持ちがしなくても、故人がとても好きだった食品を選びたいという場合は、ご遺族に了解を取るとよいでしょう。
食品以外のお供え物では、ろうそく、お線香、そして花も「消えもの」としてよく選ばれています。
花を選ぶ場合は、棘やにおいが強いもの、そして鉢植えは避けたほうが良いでしょう。
また、法事のときの施主はとても忙しいため、花瓶に差し替える手間のない、フラワーアレンジメントなどを選ぶのがおすすめです。
なお、一周忌の花には特に決まりはありません。
ユリや、花もちが長く、見た目も華やかな胡蝶蘭がよく選ばれますが、故人が好きだった花や、明るく華やかな花を選んでも問題ありません。
なお、一周忌の会場がお寺やセレモニーホールなどである場合、供花は持ち帰る必要があることがあります。
その場合に備えて、持ち帰りやすいように鉢物などは避けるとよいでしょう。
花の種類と色ですが、一周忌では明るい華やかな花でも問題ありません。
お供え物の金額は5千~1万円ほど
一周忌にお供え物を、とお考えの場合、金額はどのくらいがよいのでしょうか。
あまり高額なものですとご遺族も困惑してしまう可能性がありますので、5千~1万円ほどのものを選ぶとよいでしょう。
また、地域によってはお供え物の相場が高いこともありますので、事前にご近所の方などに相談しておくのもよいですね。
たしかに、故人に非常にお世話になったという場合は、高額なものを用意したくなります。
しかし、ご遺族に気を使わせないよう、一般的な金額のものを用意したほうがよいでしょう。
お供え物が食品なら、分けることができるものを
法事では、お供え物は参列者や親族で分け合うことがあります。
そのため、食品をお供え物として持参するのであれば、分けることを想定して個別包装されているものを選ぶとよいでしょう。
また、持ち帰るかたがいることも想定し、軽くてかさばらないものにするのもよいですね。
香りの強いもの、華美な包装をされたものは避ける
お供え物は、たとえば匂いの強い食品、香りの強い花などは避けるようにしましょう。
宗派にもよりますが、「心を乱すもの」として禁止しているところもあります。
また、赤やピンクなどの明るい色の包装をされていたり、キャラクターが印刷されているなどのものについても、避けたほうがよいでしょう。
また、肉や魚など、“殺生”を連想させるものも避けるようにしましょう。
お供え物ののしは双銀の水引がついたものを
一周忌のお供え物には、のしを付けるのが通例です。
のしは、双銀の水引がプリントされたものを選ぶようにしましょう。
ただ、関西では黄白の水引を用いるなど、地域により違うこともありますので、予めご親族やその地域の方に確認しておくとよいでしょう。
なお、白黒の水引がついたのしもありますが、こちらは四十九日より前の法事で用いるものになります。
注意しましょう。
のしには濃墨を使って表書きをします。
「御供物」、もしくは「御仏前」と上段に書き、下段には送り主の名前を記載します。
のし紙は、お供え物の包装紙の上からかける外のしと、内側にかける内のしがあります。
外側にするのか、内側にすべきか。
実はこれも地域によって異なることがありますので、失礼がないよう事前に確認をしておくのがおすすめです。
お供え物のほかに、香典も用意する
以上、お供え物について見てきましたが、一周忌の法事に参列するときは、お供え物の他に香典も用意しておくのが一般的です。
香典袋を用意し、表書きの上段に「御供物料」、下段にフルネームで名前を書きます。
現金は新札で問題ないですが、必ずしも新札である必要はありません。
お札は表向きにそろえて包むのがよいでしょう。
一般的に、葬儀では哀しみを表すために裏向きに包む地域が多いですが、法事では、故人はすでに成仏して極楽浄土へ旅立ったと考えられ、その仏様にお供えするものなので、尊敬を込めて表向きに包むとされているのです。
香典の相場は、親族であれば1~3万円、知人や友人であれば5千円とされています。
しかし、法要の後に会食が予定されている場合は、5千~1万円ほど加算して包むのが良いでしょう。
香典は、お供え物と一緒に渡すようにしましょう。
お供え物は、まずは施主に渡す
お供え物は、まずは施主にお渡しします。
会場に到着し、施主に挨拶をするタイミングで「心ばかりですが、どうぞ御仏前にお供えください」など、一言添えて渡すとよいでしょう。
その際は、紙袋に入れたまま渡すのではなく、中身を出し、のし書きなどが相手に見えるように渡すようにするのが通例です。
「お仏壇に供えてもよい」と言われた場合は、お供え物の中身が見える状態でお供えしましょう。
例えば、お菓子や果物であれば、器などに盛った状態でお供えするとよいでしょう。
果物は、地域によっては、参列者がすぐに食べられるように、りんごなどであれば皮をむいた状態でお供えするところもあります。
供花の場合は、左右一対ずつ設置してお供えする 花の色は明るめでも問題なし
生花をお供えする場合は、お仏壇に左右1対ずつ設置して飾るようにします。
しかし、飾るところが1基しかないこともありますので、予め施主に確認しておくのもよいですね。
また、一周忌の当日の場合はほかのお供え物などで飾るスペースがないこともありますので、前日までに送っておくのもおすすめです。
欠席の場合はお供え物や香典を送る
一周忌は法事の中でも重要な位置づけですが、やはり都合をつけられない、ということもあるでしょう。
その場合は、可能であれば電話で直接施主に欠席について連絡を入れてお詫びするとよいでしょう。
欠席でも、香典やお供え物は送るようにするのが通例です。
金額は、実際に出席する場合と相場は同じと考えてよいでしょう。
しかし、一周忌の当日は施主もご遺族も忙しいと思われますので、前日までに届くよう、手配するようにしましょう。
発送には日数がかかることがありますので、食品や生花の場合はその点を考慮する必要があります。
香典は、必ず現金書留で送るようにしましょう。
お詫びの手紙を添えておくことも大切です。
一周忌の当日の都合がつかず、それ以外の日で時間が取れるという場合なら、やはり直接出向いてお墓やお仏壇にお参りさせていただいて、その時にお供え物や香典をお渡しするとよいでしょう。
まとめ
喪中が終わる重要な節目でもある一周忌。
昔から、一周忌の法事は、遺された人々が故人への追善供養を勤めることで成仏するという考えから、遺族だけでなく故人と親しかった人々もお招きして執り行われてきました。
案内が来たら、なるべく都合をつけて参列するようにし、香典やお供え物を持参するようにしましょう。
止むを得ず欠席する場合でも、別の日に改めてお墓参りやお仏壇へ手を合わせに行き、ご遺族にお供え物や香典を手渡しするとよいですね。
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