目次
命日。
それは故人が亡くなった日であり、ご遺族にとっては故人のことを思わずにはいられない哀しみの日です。
命日に贈り物をしたり、あいさつ状を送るには、どんな点に気を付ければよいのか。
思いがけずご遺族に失礼なことをしてしまわないよう、基本的なことは身に着けておきたいものですね。
この記事では、命日の法事に焦点を当て、贈り物をするならどうしたらよいかなどをご紹介しています。
お役立ちできれば幸いです。
目次
1.月命日と祥月(しょうつき)命日
2.祥月命日や法事などで贈り物をする場合
お通夜や葬儀の日に贈り物をする
初七日や四十九日の法事でお渡しする
お盆やお彼岸の法事でお渡しする
3.法事の贈り物の金額はどのくらいが適切か
親戚など身内であれば1~3万円、知人であれば3~5千円ほどで
お通夜や葬儀では5千~1万円ほど
仏壇参りでは3千円ほど
法事の贈り物は、「消えもの」を選ぶのが作法
のしは双銀か黄白のものを
果物やお花、お供え物の定番とは
香典の相場は1~3万円ほど
4.偶数は避けるべき、など知っておきたい贈り物の基本知識
偶数は避ける
鉢植えや、棘、匂い、毒のある植物はNG
5.まとめ
1.月命日と祥月(しょうつき)命日
故人が亡くなった日のことを、一般的に「命日」と呼びます。
命日には二種類あり、一つは、「月命日」といって故人が亡くなった「日」のみをさすもの。
この場合は、例えば亡くなった日が「15日」であれば、毎月の15日が「月命日」となります。
月命日では、ご遺族など一人一人が、静かに故人を偲んで過ごす場合が多いようです。
もう一つが、一年に一度、故人が亡くなった月日をさす「祥月命日」。
亡くなった日が12月31日なら、毎年のその12月31日が「祥月命日」となります。
ところで、命日に「祥」の字を使うのはなぜでしょうか。
もともとは、儒教で年忌を意味することばであった「小祥忌(一周忌)」や大祥忌(三周忌)」から、「祥」を取ったというのがいわれのようです。
また、凶が去って吉になるという願いが込められているという説もあります。
祥月命日や法事などで贈り物をする場合
年に一度の祥月命日では、親族が集まて時には故人と親しかった知人を呼ぶなどして法事が営まれることがい多く、それを機会にご遺族あてに贈り物をすることもあるのです。
さて、こうした法事で贈り物をする場合、気を付けるべき点について見ていきましょう。
お通夜や葬儀の日に贈り物をする
故人を偲ぶ思いがご遺族に一番伝わるタイミングで贈り物をしたいという場合、お通夜や葬儀の日が適切でしょう。
お通夜や葬儀の日に、ご香典と一緒にお渡しする。
受け取る側にも気持ちに少し余裕があることが期待されるので、おすすめです。
初七日や四十九日の法事でお渡しする
人は亡くなると7日ごとに生前の行いについて裁きを受けると考えられています。
特に大事な初七日と、忌明けの四十九日には、知人や親せきも招いて法要を執り行うことがあります。
その集まりの折に贈り物をお渡しするのもよいでしょう。
お盆やお彼岸の法事でお渡しする
ご存知の通り、お盆は故人の魂が帰ってくるとされています。
また、春と秋のお彼岸は、この世とあの世が最も近くなる日とされています。
どちらも法事がよく執り行われる時期ですので、それを機に贈り物をして、故人を偲ぶ気持ちを伝えるのもよいですね。
3.法事の贈り物の金額はどのくらいが適切か
法事の贈り物は、どのくらいの金額のものならよいのか、悩むところですね。
故人との関係性で異なってくるのですが、次にあげる例を参考にするとよいでしょう。
親戚など身内であれば1~3万円、知人であれば3~5千円ほどで
比較的大きな法事である、四十九日や一周忌の場合。
故人の身内であるなら、1~3万円ほどの贈り物を選ぶとよいでしょう。
親族として、故人を弔う姿勢を見せることが肝要です。
知人の場合は、3~5千円ほどのものを選ぶとよいでしょう。
お通夜や葬儀では5千~1万円ほど
お通夜や葬儀がほかの法事と違う点は、故人に直接お別れを言える場であるということ。
この場合、贈り物を用意するなら5千~1万円ほどが一般的でしょう。
仏壇参りでは3千円ほど
法事以外でご遺族のもとを訪れ、お仏壇にお参りするときに贈り物を用意する場合は、3千円ほどのお品物を選ぶとよいでしょう。
あまり高価なものですと、ご遺族が恐縮したり気を使わせてしまうことになりますので注意しましょう。
法事の贈り物は、「消えもの」を選ぶのが作法
法事の贈り物で一般的なのは、食品やお線香、ろうそくなどです。
「消えもの」ともよばれ、消費してあとには残らないものがよいとされているのです。
ただ、肉や魚などは殺生を連想させるため避けたほうが良いでしょう。
特に葬儀の日など、故人が亡くなった日により近い法事で贈り物をする場合は、ほかにもたくさんのお品が方々から贈られてくることが予想されます。
そのため、かさばらず、日持ちがするもののほうが受け取る側としてもありがたいものなのです。
のしは双銀か黄白のものを
命日の贈り物であれば特に、のしは双銀か黄白のものを使用しましょう。
「結び切り」という形式の水引を用いますが、これは、「不幸を繰り返さない」という意味が込められています。
ただし地域や宗派によってはのしも形式が異なることがありますので、事前に親族に確認しておくとよいでしょう。
表書きは、薄墨を用います。
お供え物には「御供(ごくう)」、香典には「御仏前」や「御供物料」と書きます。
果物やお花、お供え物の定番とは
故人の好きだった食べ物なども、ご遺族が喜ばれるかもしれません。
それが日持ちするものであればなおよいでしょう。
果物は、お供え物としては定番でもあり、法事の会食でそのまま参列者にふるまうこともできますね。
フルーツショップでお供え物として頼むと、参列者の人数などを伝えることで適切な数をバスケットなどに詰め合わせしてもらえますので利用してみるとよいでしょう。
お花も定番です。
四十九日や一周忌など、法事の内容をフラワーショップに伝えると、それにふさわしい花束を作ってもらえます。
例えば、四十九日の忌明け前なら、白や淡い色合いの花が適切だとされ、カーネーション、ストック、菊、リンドウなどが選ばれます。
お通夜や四十九日などの節目の法要で用いられる花は、白で統一されることが多いです。
青や紫など、あまり派手ではない色の花を差し色として使うこともあります。
いずれにしても、用意した後はふろしきや紙袋などに包んで持参しましょう。
香典の相場は1~3万円ほど
お通夜や葬儀で参列者が持参する香典も、お供え物の一つ。
では、どのくらいの金額が適切でしょうか。
親族であれば、1~3万円ほどが一般的とされています。
友人や知人の場合は1~2万円ほど。
ただ、若い人や社会に出たばかりという場合では5千円ほどでもよいでしょう。
葬儀以外での法事では、親族ですと3千~1万円ほど、知人であれば5千~1万円ほどがよいでしょう。
この場合、ご遺族に「この現金を役立ててください」という思いを込めるため、親族以外のほうが相場が少し高めというのが一般的です。
渡すときのタイミングとあいさつ
お供え物も香典も、渡すときは受付か直接施主に渡しましょう。
その際、「本日はお参りに参りました」など、簡単なあいさつの言葉を添えるとよいでしょう。
ご遺族や施主の了承があれば、お供え物を直接お仏壇にお供えすることもできます。
お供え物を渡すときは、ふろしきや紙袋から取り出し、中身がわかるような状態にして、のしの文字が相手に見えるような向きで渡すようにしましょう。
4.偶数は避けるべき、知っておきたい贈り物の基本知識
法事では、ご遺族をより悲しませてしまうことは避けたいもの。
それゆえ、贈り物や香典の金額には作法があり、死を連想させたり、哀しみを助長させないような配慮が必要なのです。
偶数は避ける
香典の金額も、前述した果物の詰め合わせでも、基本的には偶数は避けるようにしましょう。
やはり偶数は、「割り切れる数字」であるため、故人と現世とのつながりを分け隔ててしまうことを連想するためです。
また、奇数ですが「9」も、「苦」を連想させるので避けましょう。
鉢植えや、棘、匂い、毒のある植物はNG
花を贈る場合は、鉢植えは避けましょう。
宗派によるのですが、鉢植えに使われているであろう肥料に対して不浄なものであると考えられているためです。
また、棘はケガをする可能性、つまり“血”を連想させ、匂いや毒をもつ花もお供え物としてはふさわしくないため避けるようにしましょう。
しかし、故人が匂いのある華やかなバラが好き、などの場合はご遺族の了承があればお供えしても問題ありません。
ただ、その場合は棘は取っておくなどの配慮が必要です。
四十九日までは、前述のとおり白一色か、白を基調とした花をお供えするのが一般的なのですが、それ以降は明るい色の花を送るとよいでしょう。
むしろ、相変わらず白い花を贈ると、供養がしっかりできていないと思われてしまうので注意しましょう。
お供え物や贈り物のお返しの相場
ご遺族側は、お供え物や香典などをいただいたら、お返しをするのが一般的。
いただいたものの金額に対して1/3くらいの品物でお返しするとよいでしょう。
こちらも、お菓子やお茶など、「消えもの」でお返しするのが一般的です。
いただいてから1か月以内にお礼状などを添え、お返しするようにするとよいですね。
返礼品を辞退する人にはお礼状だけでも送るようにしましょう。
まとめ
故人を偲ぶ大切な日である命日。
命日やその他の法事で贈り物をする場合、どのような点に注意すれば失礼がないか、を見てきました。
ご遺族の心情を慮り、いたずらに悲しみを助長してしまうようなことは避けたいもの。
故人を偲ぶ純粋な気持ちがご遺族に伝わるよう、基本的な知識と作法はしっかり頭に入れておくとよいでしょう。
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