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位牌の戒名や俗名の意味を知ろう

目次

◆位牌に記されている戒名とは、仏様の弟子として授けられた名前
・俗名を書き入れても構わない
・位牌には、没年月日や年齢をいれることも
・改名の上に梵字や冠文字をいれるかどうかは宗派による
・位牌の表書きの一番下には、「霊位」や「位」と書き入れる
・院号・院殿号は貢献度の高かった人などにつける称号
・仏教徒としての位を表す「位号」

◆位牌に文字を書き入れる作法
・一人分の位牌
・夫婦で一つの位牌
・代々のご先祖様を一つの位牌にする
・表面に俗名を入れる場合は名前の下に「之霊位」を書き入れる
・文字を書き入れるか、機械彫りにするか

◆仏具店に位牌を依頼する場合の注意点
・宗派を伝えておく
・本位牌は四十九日法要までに必要。注文は遅くとも2週間前までに
・まとめ

故人の魂が宿る、位牌。

お仏壇の中でも最も重視される仏具です。

その位牌に書かれた文字について、注目したことはありますか?

この記事では、位牌に書かれた文字の意味や、戒名、俗名についてと、書き入れるときの作法などについて紹介しています。

位牌に記されている戒名とは、仏様の弟子として授けられた名前

位牌は故人のための名前が書き入れられています。

いわゆる「戒名」と呼ばれるもので、実はこれは、仏様のお弟子様になった証として授けられた名前なのです。

本来、「戒名」とは、仏教徒として生きているうちに授けられるものだったのですが、現在では亡くなってから菩提寺などに依頼して授けてもらうのが一般的になっています。

 

なお、戒名については浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と言うなど、宗派によって異なっています。

俗名を書き入れても構わない

戒名に対して、生前名乗っていた名前のことを「俗名」と呼びます。

亡くなると必ず戒名を授けてもらわなければならないということでもないため、位牌に俗名を記すことも可能です。

位牌には、没年月日や年齢をいれることも

位牌には、戒名や俗名のほか、故人の没年月日や年齢を入れることも可能です。

漢数字を使うのが一般的で、没年月日については、西暦を使わず「平成」など元号を使います。

年齢は、地域や家系によっては「数え年」で記入されることもありますので、事前にご親族に確認しておくとよいでしょう。

年齢の記載の上部に、「行年」や「享年」を入れるかどうかについても確認しておきましょう。

書き入れる位置には特に決まりはなく、位牌の表面でも、裏面でも問題ありません。

改名の上に梵字や冠文字をいれるかどうかは宗派による

宗派によっては、位牌の戒名の上部に、梵字や冠文字を入れることがあります。

これは、宗派を表すシンボルのようなもので、例えば、真言宗、日蓮宗、浄土宗では梵字を入れることが多いです。

もちろん、入れない宗派もありますので、菩提寺やご親族に確認するようにしましょう。

すでにご先祖の位牌がある場合は、そちらを参考にするのもよいですね。

 

なお、葬儀から四十九日の法要まで用いる白木位牌では、表書きの上部に「新円寂」や「新帰元」と書き入れることが通例です。

しかし、四十九日以降で使う本位牌の方では、この上文字は使わないので注意しましょう。

位牌の表書きの一番下には、「霊位」や「位」と書き入れる

位牌の表に書かれた戒名や俗名の下には、「霊位」や「位」と書き入れます。

これは、四十九日までは故人の魂があの世とこの世とをまださまよっている状態であることを表しています。

魂は、この位牌を依代にしているという考えに基づき、「霊位」とつけているのです。

さて四十九日を過ぎると、魂は極楽浄土に旅立って、もうさまようことはありません。

そのため、本位牌ではこの「霊位」は使いません。

 

しかし、真言宗の場合は本位牌の方でも「位」を使います。

また、戒名がなく、俗名を位牌に書き入れる場合では、本位牌の方でも「霊位」を付けるのが一般的です。

院号・院殿号は貢献度の高かった人などにつける称号

生前、社会的貢献度が高かったり、菩提寺へ貢献したりした方の場合、戒名の前に称号として、院号や院殿号をつけることがあります。

もともとは天皇家など身分の高い人々に用いられていた文化で、時代が下ると寺を建立するなどした武将の間にも広がり、現在でも用いられることがあるのです。

仏教徒としての位を表す「位号」

戒名の下に、位号がつけられることもあります。

これは尊称で、本来は仏教徒としての位を表していました。

現在では、性別や年齢、地位などによって異なった位号がつけられます。

なお、位号は位の高い順に大居士・清大姉、居士・大姉などがあり、禅定門・禅定尼、清信士・清信女、信士・信女と続きます。

故人が子どもの場合は、童子・童女、孩子・孩女などと記載されることがあります。

位牌に文字を書き入れる作法

次に、位牌に文字を書き入れる際のレイアウトや書き方についてご紹介します。

一人分の位牌

位牌は、一人分のもの、夫婦で一つ、代々のご先祖様を1つの位牌に、など様々なタイプがあります。

まずは一人分のものから見ていきましょう。

どの周波でも、共通して記入するのは、「戒名前」「没年月日」「年齢」です。

仏式の多くでは、表面に「戒名」と「没年月日」を、裏面には俗名と「年齢」を記載します。

没年月日の位置は実は特に決まりはないため、裏面に記入しても問題ありません。

 

宗派によっては、表面の「戒名」の上に梵字を入れます。

また、真言宗の場合は、「戒名」の下に「位」という置字を入れます。

夫婦で一つの位牌

一つの位牌に2名分の「戒名」を入れることも可能です。

夫婦の場合は、右が夫、左が妻というのが一般的で、裏面の俗名も同じようにレイアウトします。

裏面にはそれぞれの年齢も入れます。

宗派によって、必要な梵字や置字も入れるようにしましょう。

代々のご先祖様を一つの位牌にする

代々のご先祖様を一つの位牌にする場合は、表書きに「○○家先祖代々之霊位」と記入するだけで、裏面には何も記入しません。

梵字や置字を入れるかどうかや、また家紋を入れるケースもありますので、ご親族や菩提寺に確認してみるとよいですね。

表面に俗名を入れる場合は名前の下に「之霊位」を書き入れる

現在では、菩提寺を持たず無宗教、という家庭も珍しくありません。

戒名を授からない場合は、位牌の表面には俗名を記入します。

俗名の下には、「之霊位」というように霊位をつけます。

そして、裏面は他のケースと同じように、没年月日、年齢を書き入れます。

文字を書き入れるか、機械彫りにするか

位牌に文字を書き入れる方法には決まりはなく、手書きと機械彫りとを選ぶことができます。

文字の色についても決まりはなくて、位牌の色合いによって自由に決めることができます。

多い組み合わせとしては、黒い位牌なら文字は白や金ですが、朱色が選ばれるケースもあります。

仏具店に位牌を依頼する場合の注意点

最後に、仏具店に位牌を注文する場合を見ていきましょう。

宗派を伝えておく

これまでご紹介してきましたように、位牌は宗派によって微妙に形式が違います。

仏具店に位牌を注文するときは、宗派や、菩提寺がある場合はそちらの形式などについても伝えておくとよいでしょう。

しかし、無宗教であったり、菩提寺もなく親族からの情報もないという場合は、葬儀を依頼した寺社の宗派の形式に従うというのも一案です。

葬儀で使用した白木位牌に書かれている形式と同じでよい、とお店に伝えても問題ありません。

宗派や地域によっては旧字体を使うこともありますので、その場合はその点も伝えるとよいでしょう。

また、参考品として古い位牌を持参してお店に相談するのも有効です。

本位牌は四十九日法要までに必要。注文は遅くとも2週間前までに

本位牌は、四十九日の法要までに用意しておくのが一般的です。

位牌は、仕上がりまでに日数がかかりますので、少なくとも2週間前までには注文しておくのが良いでしょう。

また、文字入れを機械彫りではなく手書きで、とお考えの場合は、納期はより長くなる可能性を考慮しておきましょう。

しかし、お店によっては短い納期で受けてくれるところもありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

日本人にとって位牌は身近なもので、ご先祖や故人そのものという考えを持つ方も少なくありません。

そのため、文字入れ一つとっても、その家系ならでは、宗派ならではの作法が様々存在します。

大切なのは、親族など様々な人が持つ、故人を思う気持ちに失礼がないよう、また、哀しみをより深めてしまうようなことがないようにすることです。

文字一つ、書き入れる位置一つとっても、親族間でトラブルになることもありますので、親族や菩提寺、仏具店の意見なども聞きながら、皆さんで納得できるような位牌を作るのがおすすめです。


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