目次
・塗り位牌はヒノキなどの木製
・高価な木材をつかった唐木位牌
・豊富なバリエーションが楽しいモダン位牌 ~黄王壇(きおうたん)、黒柿(くろがき)
・ミニ仏壇やデザイン仏壇でスタイリッシュに
故人の魂が宿るとされ、お仏壇の中央に鎮座し、お祀りする位牌。
現在では、従来の木製のものだけでなく、様々な材質で作られ、幅広いデザインのものが用意されています。
この記事では、初めて位牌を選ぶ方向けに、位牌にはどんな材質のものがあるのかについて紹介しています。
どんなものを選ぶか、その判断材料となれば幸いです。
塗り位牌はヒノキなどの木製
映画やドラマでよく目にする、黒く塗られた位牌のことを「塗り位牌」と言います。
白木を黒漆で塗りあげ、金や蒔絵の装飾が美しい位牌です。
この塗り位牌は、主にヒノキやベニマツ、シナなどの白い木材で作られます。
木材を位牌のサイズにカットし、乾燥させ、整形、磨きをかけたものに漆を塗って金箔や蒔絵を施す。
製作工程に手間暇がかかっているものほど、高価な値がつけられます。
最近では、塗料として従来の漆だけではなく、仕上がりが漆のように黒光りするカシュー塗料やウレタン塗料が使われた位牌もあり、それらは比較的安価で販売されています。
高価な木材をつかった唐木位牌
唐木位牌は、黒檀や紫檀といった高価な木材で作られた位牌です。
その美しい杢目を活かすため、敢えて塗装せず、そのままの状態で製作されているのが特徴です。
唐木とは、中国(唐)を経由して輸入された木材だったことからついた呼び名で、熱帯地方原産の高級木材を指します。
さて黒檀とは、その名の通り黒地に浮き出た木目が美しい、インドネシアやスリランカ原産の木材です。
唐木の代表は紫檀の方で、こちらは赤茶地。
紫檀はタイやベトナム、ラオスが原産で、緻密な木肌と、磨けば光沢が出ることでも人気です。
他にも、アフリカや東南アジアなどが減算の鉄刀木(たがやさん)という、堅く耐久性があり、美しい木目が特徴の高級木材もあり、黒檀と紫檀とを合わせて三大唐木と呼ばれています。
もちろん、現在では、国産の高級木材を原料とした唐木位牌もあります。
ケヤキや屋久杉、黄王壇(きおうたん)、黒柿(くろがき)、楓、 花梨などが使われています。
豊富なバリエーションが楽しいモダン位牌 ~黄王壇(きおうたん)、黒柿(くろがき)
木製だけでなく、陶器やプラスチック樹脂、クリスタルなど、様々な材質のものがあるのがモダン位牌。
デザインも、伝統にとらわれず、寄せ木細工のようなものや、アート作品のようなデザイン性の高いものが多く、洋風の部屋にインテリアのように置くことができるのも人気の理由の一つです。
ミニ仏壇やデザイン仏壇でスタイリッシュに
位牌には様々あることをご紹介してきました。
一方のお仏壇も、最近は従来の形式のものだけでなく、それほど大きくない部屋にも十分置ける小型のタイプの物や、高級木材を使ったスタイリッシュなタイプなど、種類が増えてきています。
最近は和室がないご家庭もありますので、そうした新しい、デザイン性の高いお仏壇や位牌を求める方も年々増加しており、仏具のラインナップはどんどん幅広くなってきています。
お仏壇も位牌も、多くの宗派では特に守らなければならない決まりはありません。
末永く身近に自然にお祀りできるものを、じっくり選んでみてはいかがでしょうか。