目次
◆香典返しの相場
◆会葬御礼
◆香典返しをお渡しするタイミング
◆香典返しの様式
・掛け紙をつけてよいか
・表書きは「志」でよいか
・ご挨拶状、お礼状をつけるべきか
◆香典返しを辞退されたら
◆会社・法人からの香典に香典返しは必要か
◆まとめ
法事のとき、参列者からいただいた供物料(香典)に対しての返礼としてお渡しする香典返し。
いくらくらいのお品物を用意し、どのタイミングでお渡しするのが適切なのか。
この記事では、香典返しに焦点を当て、押さえておきたいマナーや最適なギフトなどをご紹介します。
香典返しの相場
香典は供物料(くもつりょう)とも呼ばれ、ご遺族の哀しみを慰め、励ます意味が込められています。
それに対して香典返しとは、四十九日の法要が済んだ報告を兼ねて、ご遺族からお礼として贈られるものです。
香典返しは、近ければ喪主自身が直接出向いて手渡すのが良いとされています。
しかし遠方であったり、多忙で出向けないということもありますので、その場合は挨拶状を添えて配送、というかたちでも構わないとされています。
または、香典をいただいた葬儀当日に香典返しを渡すスタイルも一般的になってきています。
ではこの香典返し、どのくらいの金額のものを用意すべきなのでしょうか。
香典返しは、香典をいただいたお礼というだけでなく、貴重な時間を割いて参列してくださった方のご厚志に感謝を伝えるもの。
古くから「半返し」という習慣がありますので、いただいた香典の金額の半分くらい、地域によっては1/3くらいでもよいとする場合もあり、1/3から半分くらいの予算で考えるとよいでしょう。
ただし香典の金額は人によって異なります。
例えば、親族から高額の香典をいただいた場合は、遺族の扶助という側面も考えられ、半額になるような高額なお品物でお返しする必要はないでしょう。
そこで、3種類くらいの価格帯で香典返しを考えておくのがおすすめです。
また、いただいた金額に見合った香典返しをお渡しできるよう、誰からいくらいただいたかは適切に控えておきましょう。
会葬御礼
葬儀に参列してくれた方に感謝とお礼を込めて渡す贈り物のことを、会葬御礼といいます。
これは香典を持参していなくても、来てくださったすべての参列者にお渡しするもので、お茶、タオルなどの日用品が選ばれることが多いです。
一方、香典返しは、香典をくださった方にのみお渡しする返礼品。
葬儀の日に香典返しもお渡しする、という場合は、会葬御礼品と混同しないよう、用意しておく場所を区別するなど気を付けておきましょう。
香典返しをお渡しするタイミング
香典返しを葬儀の場ではなく、従来通りに渡すという場合は、四十九日を過ぎた後に贈ることになります。
四十九日というのは、忌明けという一つの区切りで、弔事を滞りなく終えたことの報告とお礼を兼ねています。
そのため、従来は喪主が直接参列者のところへあいさつを兼ねて香典返しをお渡ししに行く、というのが一般的でした。
しかし、最近は参列者が近所ではなく遠方の住まいだったり、お互い仕事などで日程の調整が難しかったりなどで、香典返しは郵送で、というケースも増えてきています。
葬儀当日に香典返しを渡すケースもあります。
当日なら、香典をくださった方に確実に手渡しでき、直接感謝を伝えることができますし、後日配送の場合に発生する配送料のことを考えなくてもよいというメリットがあります。
しかしもし、多額の香典をいただいて、香典返しが釣り合わないものになってしまったら、後日改めて別のお品をお贈りするのがおすすめです。
香典返しの様式
次に、香典返しの形式について見ていきましょう。
掛け紙をつけてよいか
贈り物にはのしをつけますが、香典返しは弔事なので、代わりに「掛け紙」とよばれるものをつけます。
ただし地域や宗派などにより懸け紙は様々な形式があります。
一般的なのは「黒白結び切り」というもの。
これは、いわゆる本結びのことで、一度結んだらなかなか解けない結び方であるため、弔事のような繰り返されることを好まない行事に用いられます。
贈る前に、この形式の懸け紙で問題ないか、ご親族に確認しておくようにしましょう。
また、香典返しを直接出向いて手渡す場合は「打ち掛(内のし)」を、郵送する場合は包装紙の上から掛け紙をつける「外掛け(外のし)」をつけます。
表書きは「志」でよいか
表書きも、宗派や地域によって異なるので注意が必要です。
多くのケースでは「志」を表書きとしますが、香典のない神式、キリスト教式の場合は「偲び草」が適切です。
また、西日本や北陸では、「満中陰志」、中国・四国・九州地方の瀬戸内海沿岸地域では、「茶の子」。
失礼がないようあらかじめご親族に確認するとよいでしょう。
ご挨拶状、お礼状をつけるべきか
香典返しを後日郵送する場合は、ご挨拶状やお礼状をつけて、忌明けのご報告や感謝の気持ちを伝えましょう。
なお、香典返しを直接出向いて手渡しする場合は、口頭で感謝の気持ちを伝えられるので不要です。
ご挨拶状・お礼状を付ける場合、文面については宗派や地域によって形式が異なるため、注意が必要で、予めご親族に確認しておくようにしましょう。
例えば、仏式の場合、故人との続柄の表記でつかう言葉は「亡」。
亡くなった、は「死去」、法要名は「四十九日法要」と書きます。
キリスト教式では、続柄は「故」、亡くなったことを表すには「召天」、法要名は「記念会」と書きます。
神式・天理教式の場合、続柄は「故」、法要名には「五十日祭」を用います。
しかし、亡くなったことを表す言葉は、神式は「帰幽」、天理教式では「出直し」を用います。
香典返しを辞退されたら
遺族の負担を考えて、香典を辞退されることもあります。
また、例えば勤務先からの連名での香典の場合、一人あたりの香典返しが少額になること、規定で受け取らないことになっていることなどで、予め辞退されることもあるのです。
その場合は香典にその旨が記載されていたり、いただくときに口頭でそのように説明があるので、ご厚意としてありがたく受け取り、忌明けのタイミングでお礼状を贈るとよいでしょう。
会社・法人からの香典に香典返しは必要か
香典の名義が法人だった場合は、その香典は経費計上されていると考えられますので、香典返しは不要と考えて問題ありません。
しかし、社長など個人名義で香典をいただいた場合は、香典返しをお贈りするのがマナーです。
同僚が社員有志など連名で香典を用意してきた場合は、一人あたりの金額によって対応を決めましょう。
それほど高額ではなかった場合は、全員でわけられるお菓子などを持参して感謝を伝えるのもよいですね。
しかし一人当たり3000円以上など高額の場合は、やはり個別で香典返しを用意するのが適切です。
まとめ
故人が亡くなると、葬儀の準備やその後の法事などで、ご遺族の哀しみや心の負担も大きいもの。
しかし、同じように故人を偲び、香典をくださった方々にも、故人に代わってお礼を伝える気持ちで香典返しを贈りましょう。
そうして故人のことを長く記憶にとどめてもらうことも、供養の仕方の一つではないでしょうか。
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